【GAS】Gmailの送信元アドレスを指定・操作する方法

2025年1月2日GASforEach,GmailApp.createDraft,GmailApp.sendEmail

Google Apps Script（GAS）を使えば、Gmailでメールを送信する際に送信元アドレスを柔軟に指定できます。この機能を活用すれば、用途に応じたメール送信や複数アドレスの使い分けが可能になります。この記事では、送信元アドレスを設定する方法、応用例、注意点を含めて詳細に解説します。

1. GASで送信元アドレスを指定するメリット
2. GmailApp.sendEmailの基本構文
- 2.1. オプション引数の詳細
3. 送信元アドレスを指定したメール送信
4. 別の送信元アドレスを設定する方法
- 4.1. Gmail設定でのエイリアス登録
- 4.2. GASでエイリアスを指定
5. 注意点: 送信元アドレス操作時の制約とトラブルシューティング
- 5.1. Gmailの制限事項
- 5.2. トラブル解消のチェックリスト
6. まとめ
- 6.1. 主なポイント

GASで送信元アドレスを指定するメリット

メリット1: 複数アドレスの使い分け

業務用とプライベート用、チームプロジェクト用など、目的に応じた送信元アドレスを使用できます。

メリット2: 送信者名とブランドの統一

送信者名を自由に設定できるため、プロフェッショナルな印象を与えるメールを送信できます。

メリット3: エイリアスを活用した柔軟な運用

Gmailのエイリアス機能を使うことで、1つのGmailアカウントで複数のアドレスを効率的に運用できます。

GmailApp.sendEmailの基本構文

以下がGmailApp.sendEmailメソッドの基本構文です。このメソッドは送信元アドレスやカスタムオプションを指定してメールを送信できます。

GmailApp.sendEmail(to, subject, body, options);

オプション引数の詳細

オプション名	説明	必須
`from`	送信元アドレス	任意
`name`	送信者名（表示名）	任意
`cc`	CCに挿入するアドレス	任意
`bcc`	BCCに挿入するアドレス	任意
`replyTo`	返信先アドレス	任意
`attachments`	メールに添付するファイル	任意

送信元アドレスを指定したメール送信

基本構文

以下の構文で送信元アドレスを指定できます。

GmailApp.sendEmail(to, subject, body, {from: "youralias@example.com"});

基本例：エイリアスを使用

エイリアスを利用して送信元を変更する簡単なコード例です。

function sendEmailWithAlias() {
  const to = "recipient@example.com";  
  const subject = "エイリアスからのメール";  
  const body = "このメールは指定した送信元アドレスから送信されています。";  

  const options = {
    from: "youralias@example.com"  // エイリアスアドレスを指定
  };

  GmailApp.sendEmail(to, subject, body, options);
}

応用例1：カスタマイズした送信者名

送信者名をカスタマイズすることで、メールの印象を変えることができます。

function sendEmailWithCustomName() {
  const to = "recipient@example.com";  
  const subject = "送信者名のカスタマイズ";  
  const body = "送信者名がカスタマイズされています。";  

  const options = {
    from: "youralias@example.com",  
    name: "カスタム送信者名"  // 表示名を設定
  };

  GmailApp.sendEmail(to, subject, body, options);
}

応用例2：テンプレートメールで送信元を変更

テンプレートを使用してメールを一括送信する場合、送信元を条件に応じて動的に変更できます。

function sendTemplateEmails() {
  const recipients = [
    {email: "client1@example.com", sender: "sales@example.com"},
    {email: "client2@example.com", sender: "support@example.com"}
  ];

  recipients.forEach(recipient => {
    const subject = "カスタマイズメール";  
    const body = `こんにちは、${recipient.email}さん。`;

    GmailApp.sendEmail(recipient.email, subject, body, {from: recipient.sender});
  });
}

別の送信元アドレスを設定する方法

Gmail設定でのエイリアス登録

エイリアスを設定するには以下の手順を実行してください。

Gmailの「設定」→「アカウントとインポート」を開く。
「別のメールアドレスを追加」をクリック。
送信者名とメールアドレスを入力し、「次のステップ」をクリック。
確認コードを受信し、設定を完了する。

GASでエイリアスを指定

エイリアスを設定後、GASのfromオプションで指定可能です。

function sendFromAlias() {
  const to = "recipient@example.com";  
  const subject = "エイリアスメール送信";  
  const body = "エイリアスから送信されました。";  

  GmailApp.sendEmail(to, subject, body, {from: "alias@example.com"});
}