ITパスポートとは/難易度は?転職に有利になる?
ITパスポート試験(通称「iパス」)は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する、ITに関する基本的な知識を測る「国家試験」です。
社員のITスキルを高めるために、大手企業が続々とリスキリングの研修実施を始めたニュースも記憶に新しいですが、ITは今社会人に最も求められているスキルの一つとなっており、ITパスポート試験合格を目指す人が増えています。
注目されている背景や転職に有利なのかどうか、ITパスポートとはどういった試験かを解説します。
ITパスポート試験とは
社会人必須のIT知識を証明する国家試験
近年、働き方改革やグローバル化を背景とした「AI」「ビックデータ」等のデータ活用が大きく注目されるようになり、新しい技術がビジネス現場にも浸透し続けています。
これらの新たな製品やサービスを効果的に活用するために、社会人基礎力としてITリテラシーに関する知識を身に付けることが求められるようになってきました。
ITパスポート試験は、IT社会で働く上で必要となるITに関する基礎知識を習得していること 証明できる国家試験です。
ITスキルは企業にも求められている
IT研修等を提供するユナイテッド株式会社によるリスキリグ実施企業への調査では、「従業員によってITスキル、リテラシーにばらつきがある」が64.2%、「社内のIT人材の不足」が42.0%と、「必要なITスキルを身につけた人材の確保が課題」と感じている企業が多いことが伺えます。
ITパスポート試験はITの基本的な知識習得を示す試験なので、ITパスポート試験合格は企業が求めているスキルを保有していることの証明になるでしょう。
約7割の受験者が非IT系職種
「IT資格は技術者向けのもので、営業職や事務職には必要ない」というイメージの方も多いのではないでしょうか。
ITは私たちの社会の隅々まで深く浸透しています。勤怠管理や営業ツールなど、日々の業務のあらゆる場面にIT技術が使われており、どのようなビジネスもITなくして成立しませんよね。IT知識は技術者以外の業務を行っている方にも重要です。
実際にITパスポート試験受験者の業務別の構成比は非IT系職種が約7割を占めています。
ITパスポート試験のメリット
一生使える国家資格
ITパスポート試験は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営/主催する国家試験です。看護師国家試験や教員資格認定試験も同じ国家試験であることを考えると、その認知度も高さ、企業からの信頼も厚さもイメージしやすいかもしれません。
また、ITパスポートは一度取得してしまえば一生使える資格です。定期的な更新も不必要で、有効期限が切れたからと講習を受け直す必要もないのが嬉しいポイントです。
実務経験がなくても努力次第で取得ができる
同じIT系の国家資格として知名度のある、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験は、プログラミングやネットワーク管理等、実務経験がなければ習得が難しい知識が求められます。
一方、ITパスポート試験は、やや難易度の高い問題もありますが、基礎知識が多くIT業界未経験の方も学習によって補える試験です。特にIT業界への転職を考えている方にとっては有益な資格といえるでしょう。
より上位の国家試験への足がかりとなる
ITパスポート試験の難易度は?
合格率
IPAが公表しているデータでは、令和3年の合格率(令和3年11月時点)は60.0%(※)です。
勉強時間の目安
ベース知識によって異なりますが、100~150時間(※)と言われています。
今までIT系の業務を行ったことがない/ITバックグラウンドがない方は150時間ほど、IT系職種で基礎知識がある方は100時間程度を見込んでおきましょう。
※https://studying.jp/itpassport/about-more/kiji-28.html
まとめ
いま注目を集めているITパスポート試験について解説しました。
- 社会人必須のIT知識を証明する国家試験
- 受験者の約70%が技術者以外の職種
- 国家試験なので一生使えて企業からの信頼も厚い
- 実務経験がなくても比較的容易に取得ができる
- 合格率は60%
- 勉強時間の目安は100~150時間程度